湿度のある梅雨どきから秋の間、鞘と柄は緩くなり、冬から春にかけての乾燥した季節は固く絞まります
造りたての白鞘や拵は、木材を使用しているため、膨張収縮が落ち着くまで1年以上を要します。当初の保管には、暗所で乾燥しすぎないタンスや押し入れの下段がおすすめです。
湿度の低い時期
冬から春にかけての乾燥する時期には、柄と鞘は固く絞まります。
- ◆ 一晩リビングに置いただけで鞘が割れる
- ◆ 鞘から刀身を抜くことが出来ない
- ◆ 鞘の鯉口が固くなり、刀身を最後まで入れることができない。
上記のような状態になってしまった場合、無理に何かをせず、湿度の高いお風呂場の脱衣所などに一晩寝かせて見てください。乾燥により起こってしまった状態には、湿度を上げることで対応出来ることがあります。
湿度の高い時期
湿度の高い梅雨どきから秋の間は、鞘と柄は緩くなります。危険なほど緩い場合を除き、鞘が刀身になじむのを待ちましょう。無理に詰め物をすると、冬に鞘が割れてしまう原因となってしまいます。
拵を造られた方
白鞘と拵を別々に製作された方は、出来るだけ早めに刀身を拵に納めてください。その状態で一ヶ月ほど置き、拵と刀身をなじませて、木が収縮するのを防いでください。徐々にご自宅の環境に慣れて、木の収縮が緩やかになります。
補足・木のお話
木の主成分であるセルロースやヘミセルロースの中には、水分子を引き寄せる部分があります。この器官は、まわりの湿度が高い時は空気とともに水分を吸い込み、乾燥している時は水分を空気とともに放出する働きを担っています。このように、木材の周囲の湿度は常に一定に調整されます。日本のように夏は湿度が高く、冬は乾燥する日本で木材が大切なものの保管に使われるのにはこのような性質も関係しています。気温や湿度の緩やかな変化には対応できますが、現代のように何時間かで東京から北海道、東京から九州などといった移動が可能になり周囲の環境がガラリと変わってしまうと、変化に対応できず、つなぎ目が開いてしまったり、緩くなってしまったりします。
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