日本刀は折れず曲がらず?
研磨で刀を預かった某研師。
「刀身中央部が曲がっていたのでそれを直し、翌日見ると直したはずがまた曲がっている!」
研磨で刀を預かった某研師。
「物打ち辺りが左に曲がっていたので直したら、はばき近くが右に曲がった。
今度は、はばき近くを直したら、また物打ちが曲がった!」
試し切りが趣味の故某氏。
「刃筋が通らず、うっかり曲げてしまった刀が翌日見ると真っ直ぐに直っていた...」
信じられないような本当の話です。
日本刀には昔からこの手にまつわる話は多く、不可解と思えるこのような出来事ですが理由はありそうです。
日本刀のあの形は、絶妙なバランスを元に(刃側、棟側、鎬側とピンと張りつめた状態がここで言うバランス)成り立っていますが、それが外的に強い衝撃を受けると、上記のような現象がおきます。
これを私どもの言葉で「腰が抜けた」と言い、その極端な例なのです。一度曲がった刀は「曲がり癖」がついて弱くなるというのも、元々のバランスが崩れてしまったためと思われます。曲がった刀が直るというのは、逆に腰が抜けておらずに自己復元されたものと考えられます。元に戻ろうとする力が強かったのでしょうが、日本刀の奥深さに感服しますね。
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