日本刀の疵、刀身にある疵
一口に疵といっても小さいものから大きいもの、小さなものが沢山あったり、大きいものが一本長くあったり・・・と様々です。「値段に影響が出る疵の大きさはどの位か?」との質問を受けたことがありますが、これもまた難しい質問で、実際に刀を見せて「これは影響なし」「これはマイナス10万」などと説明した記憶があります。特に鍛えが「立ち気味」の地鉄は、それこそ見る人によりけりで「これは疵だ」という方と「良い鍛えだ」と、まったく別の意見が飛び出す事もあるほどです。
疵の認識は人それぞれですから、電話での商品説明には特に気を使い、「1cmの髪毛を置いたぐらいの疵が、はばき上10cmの...」とか「鉛筆の先でチョンと押したぐらいの...」という具合に、出来るだけ想像しやすい言葉を用いて誤解のないようするのですが、同質の疵でも研ぎや元々の鍛え肌により見え方(印象)が変わってくるので一筋縄ではいきません
現在は刀剣店でも通販も定着しており、、クーリングオフ制度も行き渡りましたから、店側の説明と、お客様側の認識がずれていても簡単に返品出来ますが、それでも現物を見ずに注文するのは勇気がいるもの。店側の説明が手に取るようにわかるようになれば、楽しく刀選びが出来るようになります。機会があれば気に入ったお店の商品と説明文を照らし合わせるように鑑賞すると、お店側の商品解釈がわかるようになり、次回から電話で注文出来るのではないでしょうか。
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