日本刀 ¤ 脇差 ¤ 折返銘)康光 ¤ 上作 ¤ 大業物 ¤
折返銘)康光
Wakizashi / Orikaeshi mei ) Yasumitsu
- 長さ / cutting edge
- 33.3cm
- 反り / sori
- 0.3cm
- 目釘穴 / mekugi
- 3個
- 元幅
- 2.6cm
- 先幅
- 2.2cm
- 元重
- 0.55cm
- 時代
- 古刀 室町初期 応永頃(約600年前)
- period
- early muromachi (600 years ago)
- 国
- 備前(岡山県)
- country
- bizen
- 刃文
- 互の目丁子
- hamon
- gunome choji
- 地鉄
- 板目に杢目
- jigane
- itame ni mokume
- 帽子
- 尖って返る
- boshi
- togari kaeru
- はばき
- 金鍍金二重
- habaki
- gold plate double
- 外装
- 白鞘
- mounting
- shirasaya
- 鑑定
- 日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣鑑定書附
- Certificate
- [N.B.T.H.K] tokubetsu hozon
- 正価
- 売却済
- price
- Sold
応永備前という呼称で真っ先に思い浮かべるのはこの康光と盛光。
この時代、他国を見ても名工と呼べる刀工は少なく、この二刀工だけが突出した輝きを放っている。
室町に入り太刀を佩く時代が終焉を迎え、刀と脇差を帯刀するようになるが、この脇差という文化、応永備前鍛冶によってもたらされ、瞬く間に全国へと波及していった。
本作は珍しい折返し銘の康光で、一尺一寸の長さは小脇差というより寸延び短刀に近い体配。中央付近に刃こぼれを起こしたが無理に身幅を落とすことを避け、刃こぼれをハバキで隠れるように磨上げたと考える。貴重な康光銘が手間を惜しまず折り返して残され、大事に後世へと伝えられたことに感銘する。
互の目丁子刃文は小足や葉が働き、小沸が整って谷深く掟通りの出来映え。地鉄はよく練れた板目肌に応永杢と呼ばれる緻密な杢目が交じり、極めて綺麗な鉄味が備前物らしい。茎の錆色も古く、長銘よりも出来が良いと言われる二字銘の康光は噂通りの優刀。高価な康光を手ごろな価格で楽しめる。昭和二十六年長崎県大名登録。上作・大業物。特別保存刀剣鑑定書附。