日本刀 ¤ 刀 ¤ 水心子正秀 ¤ 最上作 ¤
表/秋元家臣川部儀八郎藤原正秀 裏/天明五年二月日
Katana
Omote/ Akimotokashin Kawabe gihachiro fujiwara Masahide
Ura/ Tenmei 5 nen 2 gatsubi
※ Suishinshi Masahide
- 長さlength
- 70.3cm
- 反りcarvature
- 1.4cm
- 目釘穴peg hole
- 1個
- 元幅
- 3.05cm
- 先幅
- 2.2cm
- 元重
- 0.7cm
- 時代
- 江戸後期 天明5年(1785年)
- period
- late edo (1785)
- 国
- 武蔵(東京都)
- country
- musashi
- 刃文
- 濤乱刃
- hamon
- toranba
- 地鉄
- 小板目
- jigane
- koitame
- 帽子
- 小丸
- boshi
- komaru
- はばき
- 金着二重
- habaki
- gold foil double
- 外装
- 黒呂鞘金工拵・白鞘
- mounting
- koshirae and shirasaya
- 鑑定
- 日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣鑑定書附
- Certificate
- [N.B.T.H.K] tokubetsu hozon token
- 正価
- 3,400,000円
- price
- 3,400,000-JPY
新々刀という名称が生まれのはこの水心子正秀が提唱した復古論から。その深い刀剣学に賛同し全国から多くの門人が集まり、大慶直胤や細川正義などの名工を輩出している。
本名、川部儀八郎は出羽山形の出身で、山形城主秋元家に仕えて天明元年に出府し、江戸日本橋浜町にある秋元家の中屋敷で鍛刀を始める。石堂是一から備前伝を、綱広からは相州伝を学ぶなど意欲的に理論と技術を身につけて才覚を現していった。初期の作柄は津田助広や井上真改などを写した華麗な出来が多く、文化文政頃からは復古論を実践し直刃や小互の目刃など古刀風の作が多くなる。「刀剣実用論」「刀剣武用論」「刀剣弁疑」などの書籍を執筆し、当時その影響力は計り知れない。
初期作は大阪物を写した名作があり、本刀はまさにその一振。二尺三寸の定寸で身幅重ねは尋常でスラリとした体配。良く詰んだ小板目肌は端正に鍛えられ清涼そのもの。大きな波が押しよせるような濤乱刃は飛沫が飛び、津田助広を思わせる華やかな出来映えは本家と違わぬ技量。生ぶ茎には深い鏨で銘を切り、天明五年は正秀三十六歳の頃。
拵も刀身に負けない上等な仕立てで、黒呂鞘に白色蛇腹巻きが上品。刀装具すべてを獅子の図で揃える懲りようで、目貫は大振りな金無垢の獅子。鐔と縁頭は赤銅七々子地獅子の子落とし図で、無銘ながら柳川風の作柄でとても出来が良い。
刀身・拵ともに是非ご覧いただきたい無欠点の優刀。最上作。特別保存刀剣鑑定書附。