日本刀 ¤ 刀 ¤ 仙台国包 ¤ Mumei Sendai Kunikane ¤
無銘 仙台国包
Katana/
Mumei Sendai Kunikane
- 長さ / cutting edge
- 69.9cm
- 反り / sori
- 2.2cm
- 目釘穴 / mekugi
- 2個
- 元幅
- 3.1cm
- 先幅
- 2.1cm
- 元重
- 0.65cm
- 時代
- 新刀 貞享頃(1684年)
- period
- early edo (1684)
- 国
- 陸前(宮城県)
- country
- rikuzen
- 刃文
- 湾れに互の目
- hamon
- notare ni gunome
- 地鉄
- 柾目
- jigane
- masame
- 帽子
- 小丸
- boshi
- komaru
- はばき
- 金着一重
- habaki
- gold foil single
- 外装
- 肥後金工拵・白鞘
- mounting
- koshirae & shirasaya
- 鑑定
- 藤代松雄鑑定書附
- Certificate
- fujisiro matsuo
- 正価
- 売却済
- price
- sold
堅木と言われる朴木(ほうのき)以外の木材を用いた鞘に、大きめの小尻を廻した肥後金工拵。変わり塗りは所々朱漆を塗り、頑強な雰囲気を漂わす。そこへ鉄地金象嵌の鳳凰図鍔、同じく鉄地金唐草紋の縁頭を揃えて肥後の一作とした柄前は豪華この上ない。下級武士では所持できない華やかさが、当時の美意識とプライドを痛感させる。拵の時代は江戸末期頃と思われるが、革の柄巻はほつれ無くの残り、保存状態の良さは完璧。七曜桐紋の目貫から、そこそこの名家伝来と想像する。身幅・重ねたっぷりと残る刀身は「仙台国包」三代と極められ、なるほどその柾目肌は大和伝強く、綺麗に整っている。刃文は互の目混じりの湾れで、刃縁明るく全体に匂い出来。新刀らしいすっきりとした焼きは、仙台国包、初~二代に通ずるもので、位列上作も頷ける。仙台国包は大和保昌の末流で仙台藩工を勤め、柾目肌のみを見ると本歌の大和保昌に酷似する出来。がっしりした体配に太い棒樋を掻き、反り少ないながらも姿は引き締まり、豪華な拵から抜き出す豪刀はその落差が面白い。僅かに鞘引け入るが、このままで十分鑑賞できる古研ぎ。年々少なくなる時代金工拵と、年間取引僅かの仙台国包の取り合わせは、愛刀家垂涎の的であることは間違いない。
尚、この国包の鑑定書は人間国宝の藤代松雄師。弊社のすぐ近くにお住まいでありましたが、平成16年6月12日、ご他界になられました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。