Japanese Antique SAMURAI Sword and Fittings
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縦/height 7.5cm 横/width 7.0cm 厚み/thickness 0.35cm 重量/weight 107g 正価/price 売却済-sold-
赤銅磨地に菊の花を敷き詰めた大変美しい鐔である。摺れて黒色が薄れてしまっているが、それを差し引いても雅味溢れる一枚である。九月九日は9という陰陽思想でいうところの最大の陽数が重なる陽数の極であり「重陽」と呼ばれ大変おめでたい日である。しかし陽の気が強すぎるため不吉な事も起こると考えられ邪気払いの儀式が執り行われた。重陽の宴、菊花の宴とも呼ばれ、菊に付いた朝露を集めて体を拭き、菊を愛でながら菊の花びらを浮かべた酒を飲むことによって邪気を祓い、長寿と繁栄を祈るのである。平安時代に宮中で始まったこの儀式は、江戸時代に入り幕府がこれを武家の祝日として重視したことから城中儀式となった。五節句(七草の節句、桃の節句、菖蒲の節句、笹の節句、菊の節句)のなかでは今ひとつ庶民に定着しなかったようである。旧暦の9月9日は現在の10月半ばであり、菊の季節とのずれが要因の一つではないだろうか。11月頃になると今でも菊合わせと呼ばれる菊の品評会や菊まつりが日本各地で開催されている。普段花屋さんでは見ることが出来ない美しい菊の花を今年は見にいってみるのも一興ではないだろうか。元禄四年に発行された画菊(永正十六祀歳舎己卯重陽節に雪嶺永瑾が七十三歳の時)という書には本当にたくさんの菊の絵が描かれている。本作も播磨中将や宇治川、大上瀧など当時栽培された多くの菊のいずれかであろう。