刀装具【鐔・縁頭・目貫・小柄】 赤銅地根笹に蟹図目貫 - Shakudo ji Nezasa ni Kani zu Menuki -

- 縦/height1.7cm
- 横/width4.3cm
- 厚み/thickness0.55cm
- 正価/price売却済-sold-
赤銅地に根笹と蟹を容彫し金象嵌を施す。
中央に配された蟹は大きな目をクルリと回し、悪さでもしたのだろうか、なんとはなく目をそらされているよう。
蟹はその繁殖力にあやかり子孫繁栄や安産を、蟹の鋏で悪縁切りに厄除け。
脱皮することから再起や開運をあらわす吉祥文様である。
そして家紋としても使われるどっしりとした笹。毎年春になると地下茎より筍が顔を出すことから子孫繁栄を、ズンズンと天に向かって節目正しくまっすぐに伸びてゆく鮮やかな緑の竹は、生命力の象徴である。
お正月の門松、福笹、神楽の笹、地鎮祭などで目にすることの多い斎竹など、竹や笹は祓い清められた神域との境界を示す。
そよと吹く風にサヤサヤを鳴る笹の葉は、祓えの音色を含み、神を招き、魔を祓う。
天の石屋に籠もってしまった天照大御神を天宇受売命が誘い出す際に天香具山の小竹葉を手草に結ひて神懸かりしたとある。
また、笹の防腐効果も古くから知られており、笹寿司、笹餅、笹団子、おにぎりを笹の葉で包んだり、笹の葉の上に供物をのせるなど、敷き笹として料理に添えたり敷いたりもする。
現代では、笹に含まれる安息香酸、安息香酸塩が微生物(細菌・酵母)の呼吸酵素系を阻害することによってその増殖を抑制し、食品の腐敗を防ぐ。ビタミンK、クロロフィル、サリチル酸など抗菌防腐作用のある成分が含まれていることが分かっている。