日本刀 ¤ 脇差 ¤ 備州長船康光 - Japanese Sword SUKENAO -
表銘/備州長船康光 裏銘/応永廿一年十月日
Wakizashi / Bishu osafune Yasumitsu / Oei 21 nen 10 gatsubi
- 長さ
- 42.6cm
- 反り
- 1.1cm
- 目釘穴
- 1個
- 元幅
- 2.6cm
- 先幅
- 1.9cm
- 元重
- 0.55cm
- 時代
- 古刀 応永二十一年(1414年)
- 国
- 備前(岡山県)
- 刃文
- 互の目丁子
- 地鉄
- 板目
- 帽子
- 小丸
- 茎
- 生ぶ
- はばき
- 金鍍金一重
- 外装
- 黒呂色鞘四分一地金工拵(小柄・鍔一作)・上白鞘
- 鑑定
- (財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣鑑定書附
- 正価
- 売却済
室町始め、俗に言う「応永備前」は南北朝期の豪壮な体配から、再び鎌倉期の太刀(古備前や長光など)を手本としてその優麗な名刀を写しだすが、その中でも双璧、康光と盛光は代表工。ちょうどこの頃は太刀から刀へと移行した時期で、武士は大小の刀を差すようになり“脇差”という概念はこの応永備前が先駆けとなっている。応永二十一年の年期からも初代康光、右衛門尉とわかる本作は典型的な作で、小沸出来の互の目丁子刃文に板目肌詰み、うっすらと映りも上がって見応えは十分。太い棒樋に添樋が掻かれて、疵気ほとんど無い優品。茎は生ぶのまま残り、銘振り、錆色とほぼ完璧といえる。鍔、小柄は一作で“細野惣左衛門政守”と銘が入っている。細野政守は四分一磨地の刀装具に、平象嵌毛彫りの繊細な鏨法で、洛中洛外の風俗を描くことで有名。本作も例にもれず清水寺参拝の光景が所狭しと描かれている。縁頭は四分一磨地に高彫で人物図、目貫は赤銅枝桜となっている。柄糸を補修しているが鞘など状態は良く、この拵だけでも相当の価値がある。金工拵をあつらえた備前康光は、愛刀家垂涎の的。上研磨済、上白鞘入。特別保存刀剣鑑定書附。