日本刀販売・刀剣専門店【十拳-TOKKA-】

Japanese Antique SAMURAI Sword and Fittings

刀装具【鐔・縁頭・目貫・小柄】 赤銅磨地菊慈童透かし鐔 銘/彦根住正元
- Shakudo migaki ji Kiku Jido sukashi Tsuba Mei/Hikone ju Masamoto -

赤銅磨地菊慈童透かし鐔 銘/彦根住正元 日本刀専門店【十拳-TOKKA-】刀装小道具・刀装金工・鐔・縁頭・目貫・小柄

赤銅磨地菊慈童透鍔 銘/彦根住正元 日本刀専門店【十拳-TOKKA-】刀装小道具・刀装金工・鐔・縁頭・目貫・小柄

深い深い山の奥、咲き誇る菊の花に囲まれて一人静に筆を持つのは、菊慈童と呼ばれる齢800才を超える美しい少年の姿。彼が菊の葉に書き付けているのは、法華経・観音普門品の二句の偈
「具一切功徳 慈眼視衆生、福寿海無量 是故応頂礼」
一切の功徳を具し、慈眼をもって衆生を視れば、福聚の海無量なり。是の故に応に頂礼すべし
「仏はあらゆる功徳をその身にそなえ、慈悲の眼をもって我らを見守ってくださる。幸福は常に海のように無尽蔵に我らの回りに満ちているのだ。疑うことなく身心をゆだねることだ」
太平記に書かれた菊慈童の逸話は、能楽をはじめ画題としてさまざま目にする機会が多い。
慈童は穆王(震旦国の王/周五代王)の寵愛を受けていたが、ある時、王の枕をまたいだ事で流罪となる。 王は慈童を哀れみ、仏より賜った八句の内、二句の偈を密かに慈童に授ける。 生きて帰る者はいないと云われる深山幽谷。王に言われたとおり毎朝この文を唱えていたが、 もしや忘れてしまうかもと思い、そばにある菊の下葉にこの文を書き付けた。 この菊の葉に下露が僅かに落ちて流れる谷の水に滴り、 この水すべてが天の霊薬となり、慈童のみならず、この水を飲む谷川の下流の村人も皆不老不死の上寿を保つ。 八百年余り後、少年のままの姿の慈童が魏の文帝にこの術を授ける。 文帝はこれを受け、菊花の盃を伝え、万年を寿ぐ。これが今の重陽の宴なり。

ただ独り菊の葉に経文を書き付ける寂しげな慈童の姿。 その背に寄り添うように咲く菊の花。 足下を激しく落ちゆくその瀑声が彼には聞こえているのだろうか。
濡烏色の上質な赤銅地には、ただ平坦な彫りではなく肉彫透かしで表裏両面より細かく彫り込み、立体的で浮かび上がるように技巧を凝らす。水に施された線彫りは見事で、菊の花や慈童の着物と、ところどころに金象嵌を施し、菊の葉からほろほろとこぼれ落ちる経文を帯びた雫を銀露象嵌であらわす。

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