Japanese Antique SAMURAI Sword and Fittings
日本刀|十拳|HOME »刀装具・刀装金工一覧 »鐔/ 赤銅魚子地丁子唐草に龍図 »ご注文方法 »店舗案内・地図
縦/height 7.3cm 横/width 6.6cm 厚み/thickness 0.3cm 重量/weight 99g 正価/price 売却済-sold-
赤銅地を木瓜形に、耳を高く仕立て、木瓜紋と同様に環状の細い縁で太い外枠を囲むといった手の込んだ造り込み。内側は丁子唐草、外枠である耳には各々龍を高彫りし、彫り下げた地には細かな七々子が打ち施されている。太刀鐔のような雰囲気も兼ね備えた華やかな江戸期の美濃鐔である。
丁子は丁香とも呼ばれ、香料として古くから用いられた。『法隆寺伽藍縁起并流記資財帳』には下記の記載がある。(括弧内数字はこちらで注記。)
天平六年とは734年、奈良時代の最盛期である。大宝律令の定めによると当時の一両はおよそ41~42gであり、丁子香84両は約3.5kgほどであったのだろう。この当時すでに丁子が日本に入ってきていたのは間違いあるまい。丁子はインドネシア、モルッカ諸島原産の常緑高木で、花は淡い紅色で枝先に集まって咲き良い香りがする。花が開く前の蕾を収穫し香料とする。現在はクローブという名称の方が分かりやすいかもしれないが、刀剣愛好者の方ならよくご存じの丁子油も古くはこの丁子から作られていたのである。香料・油・生薬、そしてその強い香りが魔を払うと魔除けのお守りとして用いられる事もあったという。四方を龍で囲み、中央には魔を退ける丁子を配した守護の意味を強く持つ、豪華な一枚である。