Japanese Antique SAMURAI Sword and Fittings
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縦/height 1.35cm 横/width 3.2cm 正価/price 売却済-Sold-
愛嬌たっぷりな天邪鬼の姿を象った赤銅地の目貫である。「仏教では悪業・煩悩のことを天邪鬼といい護法神である多聞天が足の下に踏みつけ、人の心が天邪鬼にならないようにしている」と野間大坊にいる天邪鬼の説明にある。本作、天邪鬼の背に文字らしきものが乗っているのがおわかりいただけるだろうか。この梵字は「ベイ」と呼ばれる多聞天(独尊の場合は毘沙門天と呼ばれる)の種子である。まさに多聞天に踏みつけられている天邪鬼なのである。
多聞天は須弥山の帝釈天に仕える四天王の一人、釈迦の遺骨を納めた宝塔を手に鬼門である丑寅を守る。須弥壇では東北に配され本尊を守護する。(仁王門奥の二天門として四天王のうち二体が安置されている所もある。)金剛峯寺、興福寺、東大寺などに安置されている四天王像の足許には本作に似た天邪鬼の姿を見ることができる。
本作、表裏一対である目貫にまま見る阿吽形。寺社仏閣の狛犬、仁王像に必ず見られるこの阿吽の相。『阿』は弘法大師空海が著した「梵字悉曇字母并釈義」によれば「阿字者是一切法教之本」(阿字はこれ一切法教のもとなり。)とある。また『吽』は「吽字義」とそれだけで空海が一冊を著すほど奥深い音ではある。阿は悉曇字母も最初の字であり、口を開いて発する最初の音である。吽は口を閉じて発する最後の音であり、この二字が根源と究極を示すという。