刀装具【鐔・縁頭・目貫・小柄】 赤銅地水仙図目貫 - Shakudo ji Donguri zu Menuki -
く
- 縦/height1.3cm
- 横/width4.5cm
- 厚み/thickness0.45cm
- 正価/price売却済-Sold-
新年の頃に満開になる水仙は正月花として親しまれている。この時期に花を付ける草花は少ない。それゆえ高貴な花である。凜とした立ち姿と透明感ある甘く爽やかな芳香、そして愛らしい花。内側の黄色い部分を金の盃に、外側の白い花弁を白銀の台に見立て、水仙は金盞銀台との異名を持つ。立冬第五十七候は「金盞香」と呼ばれ、水仙の花が咲き始める頃を表す。池坊花伝書「生花七種伝」には「陰之花僅限水仙。應賞其美」と記され松竹梅に次ぐ格式を持つ花とされている。生花で水仙を用いる場合は立春まで他の花材と混ぜて生けることはしないそうだ。室町時代以降、茶道、華道は武家礼法、武士の嗜みの一つであり、彼らにとってなじみ深い花であったことは想像に難くない。本作、赤銅地を流水のように、葉をなびかせたわめ、ほころぶ花に寄り添うはいまにも花開きそうなふっくらとした蕾とまだ硬い蕾。生命の移ろいと時の流れを感じさせる美しい水仙の目貫である。