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刀装具【鐔・縁頭・目貫・小柄】 赤銅地黄石公張良図目貫 無銘「京金工」保存刀装具鑑定書附
- Shakudo ji Kosekiko Choryo zu Menuki "Kyo Kinko" N.B.T.H.K. "Hozon" -

赤銅地黄石公張良図目貫 無銘「京金工」保存刀装具鑑定書附・鐔・縁頭・目貫・小柄

赤銅地で黄石公と張良の姿を象った目貫である。黒々とした良質な赤銅で厚みのあるしっかりとした造り込み。 本作は馬に乗る黄石公と龍にまたがる張良の姿が象られている。
秦滅亡後に起こった楚漢戦争。項羽と劉邦の戦いと云った方がわかりやすいだろうか。 最後は項羽を倒して大陸を再統一、前漢を興した劉邦。張良はこの劉邦の軍師である。常に的確な戦略を立て助言をし劉邦を勝利へと導いたのだ。その功績は日本にも伝わり、黒田官兵衛は「今世の張良」と評され、優れた軍師の代名詞にもなっている。
さて、張良の軍才はいずこより生じたものであろうか。 韓に生まれた張良は、秦により祖国を滅ぼされ、始皇帝暗殺を企てる。しかしそれは未遂に終わり名を変え身を潜める。 そこで若き張良は一人の老人と出会う。ここからが本作「黄石公張良」である。張良が出会った老人は黄石公という仙人である。張良は黄石公より書を授かる。史記によれば「太公の書」と書かれており、有象列仙全傳にはただ「書」と書かれている。この書物、中国の代表的な兵法書「武経七書」の一つ「三略(黄石公三略)」であるとも伝えられ、これを授けられた張良は後に天才軍師として活躍するのである。
本作は室町時代の猿楽師(能楽師)観世小次郎信光の作「張良」の場面である。信光の得意とする面白く華やかな演目。 馬上の黄石公と龍の背で沓を取り戻した張良の姿は生き生きと目貫に描かれている。
・・・眼光鋭くあたりを払う勢いで、その姿は輝くばかりな黄石公。履いている沓を馬上より川へと投げ落とす。 張良、続いて飛んで下り、流れゆく沓を取ろうするが、そこに大蛇(龍)が現れて、沓を奪うと張良に襲いかかる。 張良、冷静に剣を抜き、大蛇に立ち向かい、見事に沓を取り戻し、黄石公に沓を履かせた。これに満足した黄石公は張良に兵法の巻物を授ける。また大蛇は観音の化身であると明かし、張良の守護神となって天に上がり、最後に黄石公は金色の輝きを放ち、その姿を黄石に変える。

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