刀装具【鐔・縁頭・目貫・小柄】 赤銅地かまきり図目貫 - Shakudo ji kamamkiri zu Menuki -
- 縦/height1.5cm
- 横/width3.8cm
- 厚み/thickness0.5cm
- 正価/price50,000円
赤銅地でかまきりの姿を象った目貫である。農作物にとって害となる虫をせっせと捕食してくれ(もっとも獰猛な肉食のため益・害の区別なく食べてしまうのだが)田畑の昆虫の中では上位の捕食者として君臨している。作物の上を滑稽だけど愛らしい姿と仕草で動き回る蟷螂。本作にはそんなかまきりの姿が描かれている。
刀装具の画題として間々見かけるかまきり。美濃金工の作では秋草と共に、赤坂鍔では車輪と共に描かれることが多い。 さてこの蟷螂、平安時代、貴族の間で盛んだった和歌のなかには姿を見せない。姿を見せるのは平安中期、藤原明衡によって書かれた「新猿楽記」という書物の中である。猿楽の中でも大笑いされるという演目のひとつ「蟷螂舞之頭筋」である。かまきりが鎌をもたげ、首を振る様子を真似たものという。平安末期になると「梁塵秘抄」という後白河法皇の好んだ今様と呼ばれる歌謡を編纂した書の中に面白い動きをするとして謡われている。貴族よりも庶民に愛され、親しまれてきた虫であると云うことだ。
はやせば まひいづる いぼうじり かたつぶり
刀装具の画題として間々見かけるかまきり。美濃金工の作では秋草と共に、赤坂鍔では車輪と共に描かれることが多い。 さてこの蟷螂、平安時代、貴族の間で盛んだった和歌のなかには姿を見せない。姿を見せるのは平安中期、藤原明衡によって書かれた「新猿楽記」という書物の中である。猿楽の中でも大笑いされるという演目のひとつ「蟷螂舞之頭筋」である。かまきりが鎌をもたげ、首を振る様子を真似たものという。平安末期になると「梁塵秘抄」という後白河法皇の好んだ今様と呼ばれる歌謡を編纂した書の中に面白い動きをするとして謡われている。貴族よりも庶民に愛され、親しまれてきた虫であると云うことだ。
梁塵秘抄
巻第二 四句神歌 311
をかしく舞うものは かうなぎ こならは くるまのどうとかや平等院なる みづくるまはやせば まひいづる いぼうじり かたつぶり
可笑しく舞うものは 巫女に小楢葉、車輪の軸とか、平等院の水車
囃せば 踊りだす カマキリにカタツムリ